米国の電解装置メーカー、エレクトリック・ハイドロジェン社(マサチューセッツ州)は本日(月曜日)、ドイツ北部にあるユニパー社のギガワット規模のヴィルヘルムスハーフェン・グリーン水素プロジェクトに、200MWの陽子交換膜(PEM)電解装置を供給すると発表した。
この契約はエレクトリック・ハイドロジェンにとって欧州市場への初参入となり、ドイツに電解装置を設置する予定となっている。
ドイツ最大の公益事業会社の一つであるユニパーは、アンモニア輸入施設と並んで、年間30万トンの水素、つまり2030年のドイツの予想需要の10~20%を供給できる1GWの電解装置をヴィルヘルムスハーフェンの施設に設置し、主要な水素配給拠点となることを計画している。
本日発表された契約に基づき、エレクトリック・ハイドロジェンはヴィルヘルムスハーフェンに200MWのグリーン水素プラントを設計・建設し、近くにユニパーの石炭火力発電所があった場所にPEM電解装置を建設する。
同社は先月、この発電所の予備的な基本設計(FEED)作業を開始し、2026年に100MWの電解システムを発売して欧州市場全体に展開する計画だ。
「電気分解技術の選択の決定的な要因は、エレクトリック・ハイドロジェン社の先進的なプロトン交換膜電気分解(PEM)技術と、水素製造コストを最小限に抑える同社の完全統合型プラント設計の提供でした」とエレクトリック・ハイドロジェン社は声明で述べた。
ヴィルヘルムスハーフェンのグリーン水素プラントとアンモニア輸入施設は、 現在建設中で2032年に完成予定のドイツ政府支援の水素ネットワークと、ドイツ北部の地下貯蔵施設にパイプラインで接続される予定だ。
ユニパーはまた、2022年後半にヴィルヘルムスハーフェンに液化天然ガス(LNG)輸入ターミナルを建設する予定だ。
ドイツのエネルギー企業は今月初め、グリーン水素市場が当初予想したほど急速に発展していないこともあり、80億ユーロの気候変動投資プログラムを数年延期することを認めた。