開発業者と政府機関の連合体は、ボルネオ島北端のマレーシア・サバ州に10GWのグリーン水素ハブを建設すると発表した。
不動産開発業者LBSが、政府支援の投資プロモーターInvest Sabah Berhad、州環境機関サバ州森林開発公社(SAFODA)、照明サプライヤーMidwest Green Sdn Bhdの支援を受けて、このプロジェクトを主導する予定だ。
LBSはコタ・マルドゥ地区に1万5000エーカーから3万エーカーの敷地を開発し、年間25万トンの水素を生産できる電解施設と併設のグリーン工業団地を建設する計画だ。
電力の大半を水力発電でまかなっている隣のサラワク州とは異なり、サバ州は送電網を主に天然ガスに依存している。そのため、LBSは新たな風力および太陽光発電設備を構築する計画だ。
「このコタ・マルドゥの土地は、マレーシアで最も高い太陽放射レベルと安定した高風速を誇り、再生可能エネルギーの生産に理想的であり、グリーンエネルギー生成をサポートするのにユニークな位置にあります」と不動産開発業者はプレス声明で述べた。
「さらに、この施設は近隣の海港に近いため、効率的な輸出物流が促進され、地域のグリーンエネルギー拠点としての可能性が高まります。」
しかし、LBSはグリーン水素の初回生産がいつになるか、また具体的にどの産業に供給するかというスケジュールを明らかにしていない。また、この不動産開発業者は、ハブの建設費用の見積もりも示していない。
ボルネオ島では、同島のもう一つのマレーシア州であるサラワク州でもグリーン水素プロジェクトの開発が進められている。
国営開発業者SEDCエナジーは、ビントゥル石油化学工業団地に2つの大規模生産施設を開発中だ。1つは年間15万トンの生産能力(韓国企業のサムスンエンジニアリング、ロッテケミカル、ポスコと共同で建設予定)、もう1つは9万トンの生産能力(日本の住友、エネオスと共同で建設予定)だ。
両プロジェクトとも、サラワク州の電力網の約70%を供給している水力発電を利用することを目指している。しかし、どちらもまだ最終的な投資決定には至っていない。